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常善寺だより の記事一覧

銀杏の木

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境内の銀杏の木から、今年も実が落ちはじめました。銀杏とお寺、その関係を少しお話ししたいと思います。

昔の僧侶は、托鉢や旅の際、銀杏の実を保存食にしたとも伝えられています。
また、葉が扇の形をしていることから、「智慧をひろげる」「煩悩をあおいで払う」という象徴的な意味もありました。

さらに銀杏の葉は、二つに分かれて一つになる独特の形をしています。
この形が「不二(ふに)」つまり、対立して見えるものが、実はひとつにつながっているという仏教の考えを表しているとも言われます。

右と左、陰と陽、生と死。
すべては一つのいのちの流れの中にある。
銀杏の葉は、それを静かに語っているようです。

また、銀杏は二億年以上も姿を変えずに生き続けてきた「生きている化石」と呼ばれています。
戦火にも耐え、枯れずに再生するその生命力の強さから、「不滅」「永遠」「再生」の象徴として、多くの寺院に植えられてきました。
広島の爆心地近くの寺院にも、被爆しながら芽を吹いた銀杏が今も残り、「平和の木」として人々に希望を伝えています。

このところ急に風が冷たくなり、あの暑かった夏が遠く感じられるようになりました。
やがて境内の銀杏の葉も黄金色に染まり、静かに舞い散る季節を迎えます。
散りゆく葉のひとひらひとひらに、季節のうつろいといのちの流れを感じながら、静かな秋の日を過ごしたいと思います。

真宗入門講座のご案内

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このたび、常善寺が所属する 真宗大谷派 山陽四国教区 東讃第一組 主催の「真宗入門講座」が開かれます。

これから真宗の教えを学びたい方に適した講座で、真行寺様(扇町)、福善寺様(御坊町)、願勝寺様(三木町)、そして常善寺を会場に開催され、最終の第5回は京都・東本願寺(2泊3日、諸殿拝観を含む研修)となっています。

なお、本山研修に参加されない方も、4回までの講座を受講いただけます。

真宗を学ぶとは、人として本当に大切なことを自分の上に受けとめていくと同時に、そうなっていない自分に気付かされていく歩みです。

「お寺のお講は敷居が高い」と思われる方も、この入門講座を通じて真宗の教えに触れてみませんか。お気軽に常善寺までお問い合わせください。

なお、常善寺を通しての真宗入門講座の申し込みは常善寺門徒様に限らせていただいております。

法隆寺

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先日、奈良の法隆寺を参詣いたしました。 法隆寺は聖徳太子によって建立されたお寺で、日本最古の木造建築として世界的にも知られています。伽藍を歩きながら、千四百年の時を超えて仏法が今日まで受け継がれてきたことに、あらためて深く心を動かされました。

聖徳太子は日本に仏教を広められた祖として「和国の教主」と仰がれ、浄土真宗においても篤く敬われてきました。親鸞聖人も、六角堂での聖徳太子のお告げを受けたというご縁を持たれ、以来、太子を仏法の導き手として尊敬されました。そのため、真宗寺院の中には太子堂を設け、毎年太子講を営んでいるところもあります。

法隆寺そのものは真宗の寺院ではありませんが、聖徳太子を中心とした信仰を通して、私たち浄土真宗とも深いご縁を結んでいます。日本仏教全体の礎を築いた太子のお心に触れることは、阿弥陀さまのお念仏のご縁をいただく私たちにとっても、大切な味わいとなるのではないでしょうか。

装飾
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