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常善寺からのひとこと

夏参り・お虫干し法要

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常善寺だより

昨日は夏参り・お虫干し法要が常善寺にて勤修されました。午後には、ついに35度を超える猛暑日となり、外を歩くだけでも汗ばむような厳しい暑さを感じる中、多くの門徒様が参詣していただけました。ありがとうございます。


常善寺の夏参りはお虫干しも兼ねております。地獄絵図や曼荼羅など常善寺に残る掛け軸などをお虫干し展示しておりますが、私がまだ小学生の頃はこのお虫干しが大変嫌いでございました。何気に広間のふすまを開けると、なんとも恐ろしく生々しい地獄の掛け軸がございました。子どもの私にとっては少しばかりトラウマになるほどのショックがあり、数日は一人でトイレに行けなかった思い出がございます。
僧侶となりお虫干しの準備をするようになって改めてその掛け軸を眺めておりますと、そこに描かれているのは地獄だけではなく、喉が針のように細くお腹がぷっくりして、いつでも足りない足りないと飢えている餓鬼、常に争いごとをしている阿修羅、誰かにもたれかかって自分では何もできない畜生などが描かれていたことが分かりました。そこに描かれていたことは死後の世界ではなく、生きている私自身であったのかも知れません。まだまだ足りないと餓鬼になったと思えば畜生となり、少し自分の物差しから外れてしまうと腹が立ち阿修羅になる、私自身を見ているようでございました。

夏参り・お虫干し法要が終わると次は子どもの集いでございます。今年も20名以上の方が参加していただけるようでございます。慣れない紙芝居を練習しながら今年も子どもの集いを楽しみにしております。

装飾
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