ひとこと

常善寺

常善寺からのひとこと

昨日は夏参り・お虫干し法要が常善寺にて勤修されました。午後には、ついに35度を超える猛暑日となり、外を歩くだけでも汗ばむような厳しい暑さを感じる中、多くの門徒様が参詣していただけました。ありがとうございます。


常善寺の夏参りはお虫干しも兼ねております。地獄絵図や曼荼羅など常善寺に残る掛け軸などをお虫干し展示しておりますが、私がまだ小学生の頃はこのお虫干しが大変嫌いでございました。何気に広間のふすまを開けると、なんとも恐ろしく生々しい地獄の掛け軸がございました。子どもの私にとっては少しばかりトラウマになるほどのショックがあり、数日は一人でトイレに行けなかった思い出がございます。
僧侶となりお虫干しの準備をするようになって改めてその掛け軸を眺めておりますと、そこに描かれているのは地獄だけではなく、喉が針のように細くお腹がぷっくりして、いつでも足りない足りないと飢えている餓鬼、常に争いごとをしている阿修羅、誰かにもたれかかって自分では何もできない畜生などが描かれていたことが分かりました。そこに描かれていたことは死後の世界ではなく、生きている私自身であったのかも知れません。まだまだ足りないと餓鬼になったと思えば畜生となり、少し自分の物差しから外れてしまうと腹が立ち阿修羅になる、私自身を見ているようでございました。

夏参り・お虫干し法要が終わると次は子どもの集いでございます。今年も20名以上の方が参加していただけるようでございます。慣れない紙芝居を練習しながら今年も子どもの集いを楽しみにしております。

お二十日講

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常善寺だより

本日はお二十日講がございました。お二十日講とは常善寺にて永代経や報恩講などの大きな行事がない月の二十日に行っているお講でございます。(二十日が土・日曜日の場合には日にちを変更することがございます。)私が生まれるより前から行われております。
ご門徒の方々が朝早くから饂飩のお斎の準備をしている音、本堂でご法話をしている説教師の独特な語り口。そのお話にうなずき、笑っているご門徒の姿を子どもの頃から見ておりました。昭和、平成時代の夏の暑い日に、うちわで仰ぎながら、ラムネを飲みながら本堂に集まっておりました情景は大変懐かしいものです。二十日に「お」をつけて「おはつかこう」と呼ばれることにも昔から大切にしてきた行事であることがうかがえます。
今では仏法もインターネットを通してお聴聞できる時代でございます。しかしながら「おお、ようきたの」と互いに話しながら本堂に集まり、お聴聞し、膝をつき合わせながら饂飩を頂くひと時もありがたいものではないでしょうか。

昔とは違い、今の常善寺の本堂・広間には冷暖房が完備されております。少しでも興味がございます門徒様はお気軽に参加していただけたら幸いでございます。

先日、名古屋にある東別院に参詣いたしました。25年ほど前、名古屋の同朋大学で真宗の学びを一年間させていただいておりました。その時によくこちらの東別院にも研修でお世話になりその時以来の参詣です。
真宗大谷派は京都の本山、東本願寺(真宗本廟)を拠点といたします。別院とは、地域ごとに設けられた本山直属の寺院のことで、日本国内に52か寺、海外に3か寺の別院がございます。
四国には高知に土佐別院がございます。2025年4月には土佐別院にて「宗祖親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要並びに土佐別院設立100周年記念法要」が勤まりました。
知られてはおりませんが、京都の東本願寺や大きな別院では晨朝法要(おあさじ)を自由にお参りし、法話をお聴聞することができます。
旅先での朝に心穏やかにお参りし、お聴聞するご縁もありがたいことではないでしょうか。

詳しくは下記の「真宗大谷派別院マップ」をご覧ください。
https://jodo-shinshu.info/betsuin_portal/

装飾
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