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常善寺からのひとこと

盂蘭盆会

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常善寺だより

毎年八月になると、日本各地でお盆の行事が営まれます。この三連休からは実家に帰省される方も増え、お盆法要やご法事にお参りしますと、大変賑やかにお迎えいただくことが多くなりました。また、お寺の納骨堂にも、普段は香川を離れてなかなかお参りに来られない若い方々のお姿を、よくお見かけいたします。

お盆は正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といいますが、この言葉はサンスクリット語の「ウラバーナ(ullambana)」が音訳されたものです。もともとは「逆さにつるされたような苦しみ」という意味で、人が迷いの世界でどうしようもない苦しみにある姿をあらわしています。

『盂蘭盆経』には、目連尊者が餓鬼道に堕ちて苦しむ母を救おうとし、お釈迦さまに相談する場面があります。お釈迦さまは、目連尊者ひとりの力では母を救えないことを示され、夏安居を終えた多くの僧侶に、七月十五日に食事や衣を供養するよう教えられました。その功徳によって母が救われたことが、今日の盂蘭盆会のはじまりとされています。

真宗では、先に往かれた方を供養して救うのではなく、阿弥陀さまのはたらきによってすでに浄土へ往生された方のご縁を通し、私自身が阿弥陀さまの救いに出遇わせていただく法要としてお盆をいただきます。亡き方は、私が念仏の道を歩むきっかけをくださる大切な「導き手」です。

どうぞこのお盆、亡き方を偲びつつ、そのご縁を通して自分を見つめ、南無阿弥陀仏の救いを味わっていただければ幸いです。

本日、常善寺にて子どもの集いが開催されました。早朝より20名の小学生が元気に参加し、充実した半日を過ごしました。

お正信偈のお勤め、恩徳讃の練習の後、『りゅうじん池としんらんさま』の紙芝居を通して、人と人とのつながり「おかげさま」の心についてのお話をさせていただきました。また、お内陣に上がっての住職体験をはじめ、境内地図を手にポイントを巡るクイズラリー、自分たちで「おにぎらず」を作る体験など、楽しみながら学べる企画が盛りだくさんの一日となりました。

特に婦人部の方々は、朝早くからおにぎらず作りの準備や各班担当の子どもたちのサポートをしてくださり、そのきめ細やかで温かいご支援のおかげで、楽しく充実した子どもの集いを開催することができました。

子どもたちがお内陣に入り少し緊張した面持ちで手を合わせる姿、境内地図を手に一所懸命にクイズラリーのポイントを探す姿、大きな口を開けておにぎらずを頬ばる元気いっぱいの様子は、見守る私たちにも笑顔と元気を与えてくれました。そして、その姿を温かく見守る婦人部の皆さんのまなざしは、とても優しく温かなもので、とても印象深い光景でした。

子どもたちの笑顔と婦人部の皆さまの熱意から、大いにパワーをいただいた一日となりました。

夏になりますと妻と一緒に生島のレクザムスタジアムへ高校野球の応援に行くことが毎年の楽しみになっております。二人の子どもたちのおかげもあり、応援する高校の数も自然と増えてまいりました。昨日は私と長男の母校の応援でした。

高校野球の試合の始まりは互いの選手を讃えあい、健闘を祈る応援団のエール交換から始まります。三塁側から太鼓の音が「ドドン」と鳴り響き、調子を合わせながら一塁側へと向けて「フレーフレー〇〇高!」と、相手校の名を敬意を込めて呼びかけます。

その声に応えて一塁側では温かい拍手が起こり、それがやがて球場全体を包み込むように広がっていきます。そして、今度は一塁側から三塁側へと同じようにエールが送られます。

サイレンが鳴り響くと両校の選手たちがホームベースを挟んで整列し、礼をして、いよいよ試合が始まります。

高校野球の面白さは、もちろん自分が応援している高校が勝つことにもありますが、それ以上に選手一人ひとりのプレーに、これまでの厳しい練習に耐えてきた姿が映し出されること、そしてどのような場面でも仲間を信頼し合っている姿が見られることにあります。

たとえば、ぼてぼての内野ゴロでも全力で一塁へ駆け抜ける姿。
手を出したくなるような球をじっと見送り、四球を選んで次につなげた瞬間にガッツポーズを見せる選手。
バント処理をミスして一塁へ送球できなかった仲間に「大丈夫、大丈夫」と笑顔を送る選手。

それぞれの姿に、日々の努力とその中で育まれた仲間との信頼関係、そしてこのひと試合にかける思いが垣間見えます。

試合が終わり、応援団は勝てば『健闘をたたえて』負けた場合は『日本一を祈って』と、相手にエールを送ります。仲間の激励とともに戦った相手にも敬意を込める、その姿は何度球場に足を運んでも心打たれるものがあります。

まだまだ夏は始まったばかり。法要の合間を見てタオルとうちわを手に、また応援に参ります。

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